マテリアルのチョイス

今日は、来月より各地で始まる展示会やフェアにあわせて、マテリアル選択時の注意点を書いていきます。
まず、スキーについて 各メーカーより、選手用と呼ばれるモデルが出ていますので、自分の技術レベルを良く考えて、まず選手用モデルにするのか、一般の競技モデルにするのかを決めてください。
迷っている人は、ショップの店員さんに現在の自分のスキーレベル、スキー技術の長所・短所、使用しているスキーメ−カーと長さ、シーズン中、自分が一番目標にしている大会などを説明して、どのようなタイプのスキーがお勧めなのか、尋ねてみましょう。
 一番良いのは、、シーズン中、行きつけのスキー学校のスタッフの人にアドバイスをもらう方法がベスト。何故なら、シーズン中の自分の滑りを良く知っているので、自分の長所を引き出してくれるスキーを選んでくれるでしょう。
自分が参加する大会の競技規則をクリアしているかどうかも、事前にしっかり調べておく必要があります。

選手用モデルを選ぶ方へ
 選手用は、台数が限定される場合が多いので、早めに予約しておいたほうが良いでしょう。
そして、最近のGS大回転モデルの回転半径(R)がメーカーによってかなり大きくなっているので、しっかりチェックしてください。
お勧めサイズは、女性は175から180cm前後、男性は185cm前後。

一般競技用モデルを選択する方へ
 一般モデルの中にも、選手用モデルに近いスペックもありますが、中身の構造が全然変わってきます。選手モデルよりも耐久性など持たせるために、逆にフレックスなどが硬くなっているケースもあります。
スキーのセンターに乗れて、スキーを傾けてしっかりエッジで雪面をとらえられる人は、回転半径Rが21m前後のスキーを選んでもらっても構わないと思います。
お勧めサイズは、女性は、170〜175cm、男性は175〜185cm。
逆に、そのレベルまで行っていない人や大学のサークルや高校のスキー部に入って、これから本格的に競技スキーを始めていこうとしている人は、各メーカーの大回転のセカンドモデル、回転半径Rが17〜19m前後で、長さは女性は、170〜175cm、男性は180〜185cmも良いでしょう。

 上にも書きましたが、自分がもっとも重要視しているGS大回転の大会が、緩斜面が多いようであれば、滑走性を重視して少し長さのあるスキーを、急斜面が勝負のポイントとなるようなレースをメインに考えるのであれば、操作性を重視して、少し短いスキーを選ぶという方法もあります。
ただここで注意しなければならないのは、早いタイムが出る時というのは、ゴールした時に良い意味で少し遅れぎみで、気持ちラインが落とされたかな?(スキーを横にしなかったことを前提に)というライン取りで滑ったときです。
しっかり余裕をもってポールの上からラインをねらい、ラインが落とされないでゴールした時というのは、ライン取りに対しての満足感は非常にあるのですが、いざタイムを見てみると自分が思っているほどの早いタイムが出ていないという場合が多々あります。
程度の問題にもなってきますが、要は、いかにスムーズなライン取りをフォールライン(最大傾斜線)に絡めていけるかがポイントになりますので、スキーの長さの選択時は、十分な配慮が必要になってきます。
2007/6/29


回転競技 

 回転競技(スラローム、SL)は、リズムの早い旗門設定の2つの異なるコースを、2回滑って
、2本のタイムの合計によって、順位を決定します。
最近のスラロームはインターバルが非常に短くなってきているので、今まで以上に素早いエッジ
の切り換え、身のこなしが必要になってきます。
スキーの長さは、大回転に比べると、かなり短くなり、こちらもルールで決められています。
男子165p、女子155pくらいになり、ジュニアの選手は、もっと短くなります。
コースセットする際も、かなり細かく条件がルール化されています。
300,400人も出場する学生の大会などは、コースが膝の高さくらいまで掘れ、ボブスレー状態
になって、まるでコブ斜面の中を滑っている感じになります。
ここまでくると、レース前におこなったインスペクション時のコースの状況とあまりにも違うの
で、選手によっては、インスペクションをやらない人も、たま〜にいます。

2本目は、全員が滑れるというわけではなく、大会により、2本目の滑れる人数を制限するセカン
ドカットというシステムが取られています。
また、2本目の滑走順は、1本目1位の選手が始めに滑るのではなく、バーン状況によって15番目
に滑ったり、30番目に滑ったりします。
そうすることにより、ゼッケンの遅い選手でも上位に食い込める可能性が高くなり、レースを見
ている人は、楽しさを味わうことができますし、選手も駆け引きが必要になってきます。。
1/100秒を争う世界で、旗門の近くを滑って旗門をなぎ倒していくので、当然カラダを守るプロ
テクター、特に膝から下の部分、ストックを握っている手の部分、歯が折れたりなど顔面を強打
する場合もあるので、女性レーサーは顔・アゴなどのプロテクターは必要になってくるでしょう。
ポールをなぎ倒していくことは、とても気持ちがいいので、普段ストレスを感じている人は、ぜひ
スラロームのポールをその人に見立てて、その快感を味わってください。
2007/6/17


インスペクション (コースの下見) 

 アルペンの種目を問わず、競技開始の前に行なわれるインスペクション(略称 インペ)。
大会によっては、コースへの入場制限の時間などもありますが、そのおかげで大会運営側にとっては余裕をもってインペで荒れてしまったコースの整備を行なうことができます。
 我々の時代のスラロームのインペは、ゴールからスキーを履き、コース上を踏み上げてスタートまで登っていく方法で行なわれていたので、スタート前に体力を使い果たしてしまった選手もいたような。 また、当時SL競技では、ほとんどの選手が200cmくらいの長さのスキーを使用していたので、1mくらいのインペ専用のスキーを持っている人もいましたねー。

 インスペクションの時間は、だいたい20〜40分くらいで、方法は人によって様々です。
制限時間ギリギリまでゆっくりインペをする人、ホントにコースをちゃんと見てんのかよ!って思うほど、短い時間でインペを終えてしまう人。 インペのやり方がわからない人なんかは、とりあえず人がたくさん集まっているところに止まって、意味もなくキョロキョロして、時には目をつぶって、いかにもコース上を滑っているかのように、両手をクネクネしている人。 インスペクションの姿を見てると、ホントにおもしろいです!

私も大会などに付き添って選手と一緒にインペを行ないますが、1人の選手にアドバイスをするのは
問題ないのですが、個々の技術レベルが異なる選手十数人と一緒にコースの下見をする時のアドバイスはかなり気を使います。
 これから書くことは、インペを行なう際、最低限抑えてもらいたいポイントですので、参考にしてみてください。
また、インペは大会の時だけ意識して行なってもなかなかおぼえられえるものではなく、トレーニング時から大会を想定してインペを行い、慣れておく必要があります。

ポイントは3つ。 
 1つ目は、
斜面変化する所 (緩斜面から急斜面、またその逆の急斜面から緩斜面)をしっかり
アタマに入れることです。 緩斜から急斜に移る所では、急斜面で滑走ラインが落とされないように
しなければなりません。 当然、この場合は急斜面の第1双旗目が見えない場合が多いですから、緩斜面の最後の旗門を過ぎて、どの方向にスキーを向けて急斜面に入っていけば急斜面の第1双旗目をうまくクリアできるかを、インペで決める必要があります。 この方向付けを間違えてしまうと、急斜面に入ってから滑走ラインが落とされて減速をし、さらにこの落とされたラインを修正しなければならないので、次の2、3双旗以降ををそのライン修正に当てなければならないので、当然タイムロスにつながってしまいます。
 逆に、急斜面から緩斜面の場合は、急斜面で得たスピードをうまく次の緩斜面につなげていかなければなりませんので、この斜面のつなぎ目のライン取りをインペでチェックする必要があります。
 あと、見落としやすいですがコースが片斜面になっていないか、すり鉢状になっていないかという斜面の形状にも注意が必要です。雪質が変化する所もチェックが必要です。

 2つ目のポイントは、
ポールセットのリズムが変化する所をチェックすることです。
インターバル(旗門と旗門の距離)が短くなったり、長くなったりしていないか、また旗門と旗門の横への振り幅が大きくなっていないか、という部分をアタマに入れておけば、先読みをしてそれらをうまく対処して滑ることが可能になり、タイム短縮につながっていくでしょう。
 大回転競技のスルーゲートや回転競技のディレードゲート、ヘヤピン、ストレートもリズムが変わるポイントなので注意が必要です。特に、ヘヤピンやストレートの出口付近はスピードが増す部分になりますので要注意です。

 3つ目のポイントは、大会や練習のコースあるいはセットの中で、
どの場所・ポイントで勝負を賭けていくかということです。 上記した部分ばかり気にかけてしまうと、滑りが守りに入ってしまいます。
 矛盾しているようですが、良いタイムを出すためには、ある程度のリスクをかけて攻めていく姿勢が大切になってきます。いつもコンマ差で争っているライバルと同じことをしていては、勝負に勝つことはできません。その駆け引きにチャレンジし、うまくいった時などは成績はもちろん、それ以上の満足感が得られ、自信にも繋がっていきます。仮に、うまくいかなかったとしても、その原因を探っていき、それが次の自分のテーマ・課題となり、トレーニングのモチベーションにもなってきます。
 専門書などを読んで研究したり、仲間と技術向上をテーマに、お酒などを飲みながら、その原因を追究する過程も楽しいものです。
それよりもまず、教える側としては、それに挑戦した姿勢を褒めてあげたいと思いますが...

 以上、 話がだいぶ逸れてしまいましたが、インスペクション時の注意点を書いてみました。
インペは、経験が大切だと思いますので、レース初心者にとっては大変かと思います。
始めは、クラブなどの先輩にお願いして同行させてもらうといいと思います。
インペの方法を教わり、場数を踏んでいくと、自分のインペのスタイルが出来上がってきて、
”自分の技術レベルだと、ここはポイントだな”とか、今まで分からなかった部分が、徐々に見えてくるようになってきます。そのためには、日々のトレーニングから、レース時と同じ緊張感でコースインペクションを行なうこと、そして自分の滑りの特徴(長所・短所)を分析して理解しておくことが必須条件になります。
自分の技術または滑りを理解していないと、注意しなければならないポイントすら見えてきません。
特に、練習の時は、インペ後の1本目の滑りと、滑り終わった後に行なう自己分析が大切です。
その1本目の滑りがうまくいったのであれば、インペの仕方が正しかったということですし、滑りが失敗した(例えばライン取りのミスなどがあった)のであれば、インペの方法に何か問題があった、もう一度インペ方法を考えたほうが良いということになります。
 インペ時に描いた滑りのイメージと、実際の自分の滑りが限りなく近くなってくると、コースマネージメント力がアップしたことになり、スキー全体のレベルアップにもつながってきます。
スーパー大回転 

 スーパー大回転(スーパーG、SG)競技は、滑降競技と大回転競技の、両方の特徴をもった種目です。
うねりや起伏がある様々な斜面変化のあるコースを、ハイスピードの中で、正確なロングターンや
ミディアムターンの技術が求められてきます。
スーパー大回転は、1本勝負で争われ、滑降競技と同様、クラッシュ・ヘルメットの着用が義務になります。
やはりこの種目も、コースインスペクションが非常に大切で、ポールに入っていく方向やライン取りをしっかり決めて、いかにカラダとスキーの動きをスムーズにしてゴールまで滑り降りるかが、ポイントになってきます。
ライン取りを決めていくには、やはり慣れが必要になってきますが、それは経験を積んでいくことによって、誰でも身についてくるものなので、大会の数は少ないですが、ぜひこの競技にもトライしてみてください。
必ず、大回転のレベルアップにつながっていくことでしょう。

最近は、大回転用のスキーを兼用で使用している同好会レーサーも多いですが、やはりその種目専用のスキーを使用したほうが、良いタイムを出すことができます。
SG用のスキーもありますが、需要が少ないので店頭にSG用のスキーが並ぶことはほとんど無く、GS用の長いスキーを選択するか、4、5月の早い時期からショップに相談してSG用のスキーを手配してもらうと良いでしょう。
チーム、クラブで2、3台揃えて、仲間同士で使い回してもいいかもしれませんね。(安全の保証は、致しかねます)  
2007/5/21



このページは、アルペンスキーにおける様々な事柄について書いていきたいと思います。
できるだけ簡潔に書きたいと思いますので、これから競技スキーをはじめる人に参考になれ
ばと思います。
大回転競技 

 大回転競技(GSL)は、他の種目の様々な要素が必要となってくるので、最も基本的でありな
がら、テクニカルな種目と言えるでしょう。
全体的に、運動の流れ(運動の強弱など)とリズムが大切になってきます。
コースは、大・中・小のターンが設定されて、大会により様々ですが、公認大会などは、1日に
2つの異なるセットを滑って、2本の合計タイムで争われます。
旗門数やインターバルなどは、ルールで決められていますが、大会やコースプロフィール、参加
選手の技術レベルによって、インターバル(ポールとポール間の距離)が長かったり、短かった
り様々なので、トレーニングする段階でいろいろなGSセットを滑っておく必要があります。
そうすることにより、自分の滑りを大会のセットに合わせていくなどの対応能力が養われていき
ます。
ル−ルよって、スキーの長さ、回転半径の大きさが年齢などによって細かく決められています。
ただし、すべての大会でそのルールが適用されるわけではないので、スキーを購入する前に、
コーチやショップの人に相談してみてください。
最近は、どのメーカーも、ワールドカップの選手が使用するスキーに限りなく近い性能を持つ、
”選手用スキー”と呼ばれるモデルも市場で販売しています。
この選手用スキーは、車で例えると、大げさですがF1レース用にチューニングされた車と同じで
すので、誰でも乗りこなせるわけではありません。
我々一般ドライバーが、仮にF1の車を運転してもその性能を100%引き出せないのと同じで、
”選手用スキー”もそれを乗りこなすための技術はもちろん、体力なども必要になってきます。
また、F1の車を公道で走らせても、その性能が発揮できないように、一般ゲレンデで”選手用ス
キー”を使用しても、宝の持ちぐされになってしまうでしょう。
レベルや目的に合ったマテリアルを選ぶ、これが上達の近道になってきます。
2007/6/2


まずはじめは、アルペンスキーの種目について書いてみます。
大まかに分けると、滑降競技、スーパー大回転競技、大回転競技、回転競技、スーパーコンビです。


滑降競技 

 滑降競技は、別名ダウンヒル、DHともいい、雪上のF1レースで、100km/h近いスピードでポールの旗門間を滑って、基本的には1本のタイムで争います。
当然ながら、スピードがものすごく出るので、まず勇気というものが大変重要になってきます。
スタート台に立ったら、ある意味開き直って、覚悟を決めてスタートするしかありません。
斜面の起伏あり、ジャンプありで、ジェットコースターに乗っている気分で、また滑る距離も長いので、体力が無い人などは、途中で足が疲れてブルブルしてくるので要注意。
ハイスピードの中、自分の滑る滑走ラインを間違えて転んだりしたら大変で、頭を打ったり、
股がさけたり、安全のためにコースサイドに張ってあるネットに突っ込んだりで、翌日はカラダの節々がものすごく痛くなります。

ただ、事前に数日間の公式トレーニングがあるので、その時に本番に向けて注意しなければいけないポイントやライン取りをチェックすることができるのでご安心を。
そんな危ない競技ですが、ゴールした時の達成感・満足感は最高で、ハイスピードのターン中に感じられる遠心力や、風を切って、時にはヨダレも垂らしながら、スピードを肌で感じるスキーならではの醍醐味があります。
人によっては、1回この種目を経験すると病みつきになってしまうほど、奥の深〜いものです。
滑りに荒さがあったり、スムーズで流れのある動きができないとダメなので、今ひとつ大回転競技で、技術進歩にお悩みの方は、ぜひ1度この競技をやってみてください。
コースのインスペクション(コースの下見)の大切さも感じると思います。
ちなみにスキーの長さは、ジャンプのスキーほどではありませんが、長い方が安定してきます。 
2007/5/7